ワイヤー矯正のリテーナーの重要性とは?種類、使い方、選び方について
こんにちは。愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」です。
リテーナーとは、ワイヤー矯正をはじめとする矯正治療全般で、後戻りを防ぐために用いられる保定装置のことです。矯正期間が終了して間もないうちは歯を支える骨の状態が不安定で、放っておくと歯列が乱れる可能性があります。
そのため、リテーナーという装置を一定期間装着し、整えた歯列を安定させる必要があります。
本記事では、ワイヤー矯正で歯並びを整えたあとに使用するリテーナーの重要性や装置の種類、使い方、選び方などについて解説します。「リテーナーって必要なの?」「種類はどうやって選べばいいの?」と疑問に感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ワイヤー矯正の後戻りとは
ワイヤー矯正の後戻りとは、矯正期間が終了してきれいに整った歯並びが再び元の位置に戻ろうと動くことをいいます。
後戻りはワイヤー矯正にかかわらず、マウスピース矯正などの矯正治療全般で起こる可能性があります。そのため、矯正治療では矯正期間が終了したあとに保定期間が設けられていることが一般的です。
保定期間とは、後戻りを防ぐための期間のことで、この期間中はリテーナーと呼ばれる装置を装着して過ごします。
リテーナーの装着期間は矯正期間と同程度であることが一般的で、矯正期間が2年であれば保定期間も2年となります。この場合、矯正治療がすべて完了するまでには、トータルで4年程度かかることになります。
ワイヤー矯正のリテーナーの重要性
矯正期間終了直後の歯の周囲の骨は完全に安定していない状態ですので、放っておくと歯列が元に戻ろうとして徐々に乱れることがあります。そのため、歯並びが安定するまではリテーナーを装着して歯を適切な位置に保つ必要があるのです。
なお、リテーナーの装着はワイヤー矯正だけでなく、ほぼすべての矯正治療で必要となります。特に、歯を大きく動かした場合やもともとの歯並びがひどく乱れていた場合には、後戻りのリスクが高いためリテーナーの装着が欠かせません。
例えば、マウスピース矯正で軽度の症例を治療した場合や部分矯正を行った場合であっても、リテーナーを装着しなければ、歯並びが乱れる可能性があります。
ワイヤー矯正のリテーナーの種類
ワイヤー矯正後に用いられるリテーナーには複数の種類があります。それぞれ特徴が異なるため、患者さんに合ったものを選択することが大切です。
マウスピースタイプ
マウスピースタイプのリテーナーは、透明で目立ちにくい素材で作られており、見た目が気になる方に選択されています。取り外しができるため、普段通りに食事や歯磨きができます。歯磨きがしやすいため、口腔内を清潔な状態に保ちやすいこともポイントのひとつです。
ただし、装着時間が不足すると保定効果が薄れるため、患者さん自身の自己管理が必要不可欠となります。また、マウスピースタイプは耐久性が低く、破損や劣化を起こすことがあるため、保定期間が長期におよぶ場合には定期的に交換する必要があるでしょう。
リンガル(ワイヤー)タイプ
リンガルタイプのリテーナーは、歯の裏側に細いワイヤーを固定するタイプの装置です。歯の裏側に固定するため装置が目立ちにくいという特徴があります。そのため、審美性を重視しつつ、しっかりと歯を固定したい方に選択される傾向があります。
なお、このタイプの保定装置は固定式ですので、患者さんが自由に取り外すことはできません。自己管理の手間が省けるというメリットがある一方で、食べ物が挟まりやすくなったり口腔ケアがしにくくなったりするデメリットが挙げられます。
また、舌側に装置を取り付けるため、はじめのうちは違和感を覚えたり発音しにくいと感じたりすることもあります。
ベッグタイプ
ベッグタイプは、歯列を取り囲むように固定する保定装置です。表側はワイヤー、裏側はプラスチックでできています。
取り外しができるため、食事や口腔ケアがしやすく、お口の中を清潔に保ちやすいというメリットがあります。また、全ての歯を取り囲むように固定するため、安定しやすいこともポイントのひとつです。
ただし、歯の表面にはワイヤーが通るため、口を開けたときに装置が目立ちやすいという点はデメリットといえるでしょう。
ホーレータイプ
ホーレータイプとは、金属のワイヤーとプラスチックのプレートを組み合わせた装置のことです。歯の表側にはワイヤーが通り、上顎部分にはプラスチックのプレートが装着されます。
歯列全体がしっかりと固定されるため安定性に優れています。また、ホーレータイプは取り外しが可能ですので、普段通りに食事や歯磨きができるという特徴もあります。
ただし、患者さんによっては装着時に違和感を覚えたり発音しにくいと感じたりすることもあるでしょう。多くの場合は、時間が経つにつれて気にならなくなっていきます。
ワイヤー矯正のリテーナーの使い方
先にも述べた通り、保定期間は矯正期間と同程度であることが一般的です。自由に取り外しができるタイプのリテーナーの場合、はじめのうちは1日に20時間以上の装着が推奨されます。
その後は様子をみて装着時間を徐々に短くしていくことが一般的です。最終的には、就寝時のみの装着となることも多いですが、実際には患者さん一人ひとりの歯の状態や治療計画に応じて歯科医師が判断します。
なお、保定期間中は歯科医師の指示通りに通院することも重要です。
ワイヤー矯正のリテーナーの選び方
ここまで、ワイヤー矯正のリテーナーの種類や使い方について解説しましたが「どれを選べばいいのだろう?」と疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
リテーナーの装着期間は矯正期間と同程度となりますので、長い方であれば2年〜3年程度装着し続ける必要があります。そのため、できるだけライフスタイルに合った使いやすいものを選ぶことが大切です。
ただし、歯科医院によって取り扱いのあるリテーナーの種類は異なります。また、患者さんの歯の状態によっても使用できる装置は異なりますので、かかりつけの歯科医院で相談しましょう。以下では、リテーナーを選ぶときのポイントについて解説します。
目立ちにくさで選ぶ
装置の目立ちにくさを重視したい方には、透明のマウスピースタイプが選ばれる傾向があります。取り外しができるため、会食などの際も見た目を気にせずに快適に過ごすことが可能です。
食事や口腔ケアのしやすさで選ぶ
食事や口腔ケアのしやすさで選ぶならば、マウスピースタイプやベッグタイプ、ホーレータイプなど取り外しができる装置を選ぶとよいかもしれません。すみずみまで丁寧に歯磨きがしやすいため口腔内を清潔な状態に保ちやすく、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
管理のしやすさで選ぶ
自分で装着時間を管理するのが難しいという方には、固定式のリンガルタイプが選ばれる傾向があります。装着をし忘れたり装着が面倒に感じて怠ったりする心配がないため、後戻りを防ぐことができるでしょう。
違和感の少なさで選ぶ
違和感が少ないリテーナーを選びたい方には、マウスピースタイプが選ばれる傾向があります。マウスピースタイプは薄くて軽い素材でできており、フィット性も高いため、リテーナー装着時の違和感をあまり意識せずに過ごせるでしょう。
費用で選ぶ
リテーナーの費用は種類によって異なりますが、歯科医院によっても違いがあります。費用をできるだけ抑えたいという方は、かかりつけの歯科医院で確認することが大切です。なお、リテーナーの費用は矯正治療の費用に含まれているケースもあります。
まとめ
せっかく長い時間と費用をかけてワイヤー矯正で歯並びを整えても、リテーナーの装着を怠ると歯が元の位置に戻ろうと動くことがあります。
整えた歯並びを維持するためには、保定装置を適切に装着することが大切です。装置の種類は複数あり、目立ちにくいものや口腔ケアがしやすいものを選ぶこともできます。
ただし、歯科医院によって取り扱いのあるリテーナーは異なりますので、希望する装置を使用できるかどうか、かかりつけの歯科医院に確認するとよいでしょう。リテーナーの装着期間や種類などについて詳しく知りたい方は、歯科医院へご相談ください。
ワイヤー矯正を検討されている方は、愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」にお気軽にご相談ください。
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