フッ素が虫歯予防に効果があるって本当?効果を詳しく解説!

2024年07月19日(金)

こんにちは。愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」です。

フッ素イメージ画像

冷たいものが歯にしみる、歯が痛くなるなど、虫歯の症状でお困りの方は多いでしょう。口腔内のトラブルで一般的な虫歯ですが、毎日の歯磨きなど自宅でのセルフケアだけで虫歯を完璧に予防することは難しいです。

歯科クリニックで推奨される虫歯予防の方法が、フッ素塗布です。フッ素塗布といえば、小さなお子さまのための虫歯予防方法と思われる方も多いですが、フッ素塗布は小さなお子さまだけでなく大人の虫歯予防にも有効な手段の一つといえます。

今回は、フッ素塗布が虫歯予防に効果があるのかについて解説します。フッ素の安全性、フッ素塗布後の注意点アドもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

フッ素が虫歯予防に効果があるって本当?

フッ素が虫歯に効果があるか疑問のイメージ

フッ素が虫歯予防に効果があるのは、本当です。フッ素がもつさまざまな作用が、虫歯予防に効果的に働くためです。

フッ素の効果は、以下のとおりです。

酸の産生を抑制する

虫歯は感染症のひとつです。虫歯菌が作り出した酸によって、歯からカルシウムが溶け出すことで虫歯になります。

フッ素を塗布すると虫歯菌の働きが弱まり、酸を作りだせなくなるため感染を抑えられます。虫歯菌の原因は、セルフケアで完全に除去できず蓄積したプラーク(歯垢)です。

フッ素がプラーク(歯垢)に作用すると、虫歯菌の代謝系酵素(エノラーゼ)を阻害し、酸の産生を抑制します。自宅での歯磨きの際も、フッ素入りの歯磨き粉を選ぶと虫歯予防に効果的でしょう。

再石灰化の促進

再石灰化とは、虫歯菌などの酸で溶かされた歯のエナメル質が、元の健康な状態に戻ることです。再石灰化は元々唾液によって促進される働きですが、虫歯から作られる酸は、歯のカルシウムやリンを溶かしてしまいます。

カルシウムやリンが歯から溶け出すことを脱灰と呼び、脱灰のスピードに再石灰化のスピードが追いつけなくなると、虫歯が発生・悪化します。フッ素は再石灰化を促進する働きがあり、酸により溶けた歯の修復を助け、酸に溶けにくい性質に変えてくれるのです。

また、歯を構成するハイドロキシアパタイトにフッ素が入って変化すると、酸性刺激への抵抗力が高まります。虫歯菌が産生する酸への抵抗力も高まるので、歯の硬さと強度も増すでしょう。

ただし、再石灰化で修復可能なのはエナメル質のみです。虫歯が深くなり象牙質まで溶けている場合は再石灰化による修復はできないので、歯に違和感を覚えたら早めに受診しましょう。

歯石の形成阻止

フッ素には、歯石の形成を阻止してくれる効果もあります。歯の表面にプラーク(歯垢)や細菌が蓄積して硬くなった歯石は、自宅での歯磨きでは除去できません。

フッ素を塗布することで歯石の形成を妨げ、口腔内を清潔に保つことが可能です。フッ素は虫歯の予防に効果的なだけでなく、歯の健康を維持するのに役立ちます。

フッ素の安全性

フッ素の安全性について考えるイメージ

フッ素はミネラルの一種で、お茶や魚など、日常的に口にする食べ物にも含まれていて危険なものではありません。また、WHO(世界保健機関)やFDI(国際歯科連盟)でもフッ素の使用を推奨しており、日本を含め世界でも120か国以上で使用されています。

ただし、決められた以上の量を取ることは良くありません。フッ素を過剰摂取してしまうと、中毒を起こす場合があります。

フッ素中毒には2つのタイプがあり、どちらも適量以上のフッ素を摂取したときに起きます。指示どおりに使用すれば問題ありません。

慢性中毒

適量の2〜3倍の濃度のフッ素を長期間摂取し続けることで引き起こされます。骨硬化症や斑状歯(はんじょうし)になることがあります。

しかし、虫歯予防にフッ素を活用した場合、お口の中に残るフッ素の残量は健康を害するほどではありません。歯科クリニックで行う高濃度のフッ素塗布でも、1〜1.5mgとされています。

自宅で使用するフッ素入りの歯磨き粉や洗口液はもちろん、歯科クリニックでのフッ素塗布、どちらも毎日フッ素を飲み込むわけではないので、慢性中毒の心配はありません。

急性中毒

一度に大量のフッ素を摂取したときに起こる中毒です。急性中毒になる目安は、体重1kgに対し2mgです。急性中毒になると吐き気や嘔吐、下痢などの症状が現れますが、歯科クリニックのフッ素塗布で使用されるものに毒性はないので小さなお子さまでも安心して使用できます。

また、市販の歯磨き粉やガムなどに含まれるフッ素についても同様に安全とされています。歯科クリニックで使用するフッ素と市販品の違いは、フッ素の濃度です。

歯科クリニックで使用するフッ素は9,000ppmと高濃度です。歯の専門家である歯科医師が管理することで、使用が認められています。自宅で使用するフッ素が配合された歯磨き粉や洗口液の濃度は100ppm〜1,450ppm程度なので、健康を損なう濃度ではありません。

歯科医院でフッ素塗布を受けたあとの注意点

歯科医院でフッ素塗布を受けたあとの注意点イメージ

フッ素塗布後は、効果を高めるために30分は飲食やうがいをしないようにしましょう。どうしても唾液が気になる場合は、吐き出してください。

一度に大量のフッ素を飲み込むと気持ち悪くなるケースがあり、嘔吐や下痢の症状が出る場合もあります。胃洗浄が必要になることもあるので、具合が悪くなったら速やかに病院を受診してください。

フッ素塗布を受ける効果的な頻度

フッ素塗布を受ける効果的な頻度イメージ

歯科クリニックでは、市販の歯磨き粉などに配合されているフッ素に比べ、高濃度のフッ素を使用します。歯科クリニックでフッ素塗布を行う頻度は、3か月~半年に1回程度で構いません。

乳歯の前歯が生え揃う1歳〜1歳半ごろからフッ素塗布の開始が推奨されていますが、塗布する頻度は、口腔内の状態により異なります。初期虫歯がある場合や歯が生え変わる時期には、フッ素塗布の頻度が高くなるでしょう。

歯科医師が口腔内の状況を見て判断するので、歯科医師と相談して患者様ご自身にあった頻度を決めることが重要です。

自宅でのケアにもフッ素を取り入れられる?

フッ素と歯ブラシ

フッ素は虫歯に効果的なだけでなく、歯そのものを強くしてくれる物質です。自宅でフッ素を取り入れたケアをしたいと思っても、何を選べば分からないという場合もあるでしょう。

取り入れやすいアイテムは、以下のとおりです。

フッ素入り歯磨き粉

自宅でデンタルケアを行う際に、手軽に取り入れられるのはフッ素が配合された歯磨き粉です。歯磨き粉に配合できるフッ素の量は上限が決まっていますが、毎日のお手入れで使用すれば虫歯予防に効果があります。

ただし、小さなお子様に大人と同じ量の歯磨き粉を使用しないように気を付けましょう。フッ素が配合された歯磨き粉も、子供用のものが市販されています。大人と同じものを使うより安心して使用できるでしょう。。

フッ素ジェル

フッ素ジェルは、フッ素配合の歯磨き粉を使用できない小さなお子さまにも使用できるアイテムです。歯磨きの後や食後、就寝の直前に使用します。フッ素ジェルを塗布した後はうがいをせずに、唾液と一緒に吐き出す程度にとどめておきましょう。

小さなお子さまでも使用しやすいように、いろいろなフレーバーが用意されています。ストレスなく使用できるように工夫してあげましょう。

フッ素入りの洗口液

ドラッグストアなどでも購入できるフッ素入りの洗口液も、虫歯予防に効果的です。1日1回、食後または就寝前、お口の中がすっきりしない時など、ブクブクうがいをして口腔内を清潔に保つように心がけましょう。

まとめ

フッ素を塗っている子供

日本の成人の歯を失う原因の多くは、虫歯と歯周病です。フッ素塗布は虫歯予防の目的で行われ、歯の強化、虫歯菌の抑制、歯の再石灰化などの効果があります。

特に歯科クリニックで実施されるフッ素塗布では、高濃度のフッ素が使用されます。乳児期や混合歯列期の虫歯予防、初期虫歯の治療にも用いられています。

また、低濃度のフッ素を自宅で併用することで、歯の健康により効果的なアプローチができます。フッ素中毒などを心配する方もいるかもしれませんが、適量を守って使用すれば問題ありません。

健康的な口腔内を維持するためには、虫歯を治療するのではなく予防するためのフッ素塗布がとても大切です。「大人になったらフッ素塗布は必要ないのでは?」と思うかもしれませんが、フッ素塗布は何歳になっても必要です。

虫歯になりやすいと感じる方は、歯科クリニックでフッ素塗布を実施し、毎日のデンタルケアにもフッ素を取り入れて効果的な虫歯予防を行いましょう。

フッ素塗布を検討されている方は、愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」にお気軽にご相談ください。

当院では、成人の矯正のみならず小児の矯正にも力を入れています。虫歯・歯周病治療、ホワイトニング、予防歯科なども実施しています。当院の診療案内ページはこちらWEB予約も24時間受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

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