ネオキャップ・ビムラー矯正をおすすめする理由や注意点とは?
こんにちは。愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」です。
すべての歯が永久歯に生え変わっていない、成長期の子どもたちを対象とした小児矯正では、さまざまな方法を選択できます。その中で、新しい矯正方法のひとつとして注目されているのがネオキャップ・ビムラー矯正です。
お子様の歯並びに不安を感じ、小児矯正を検討されている方なら耳にしたことがあるかもしれません。
今回は、ネオキャップ・ビムラー矯正とはどのような治療なのか、いつ頃はじめるのが適切なのかについて解説します。治療の流れや注意点などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ネオキャップ・ビムラー矯正の仕組み
ネオキャップ・ビムラー矯正は、国際機能矯正臨床研究会(IFOCS)より公式認可を受けている矯正方法です。歯科医院のみが対応可能で、主に成長期のお子さまを対象としています。
ネオキャップ・ビムラー矯正の開発者は日本の歯科医師ですが、ネオキャップはオーストラリア、ビムラーを利用した矯正システムはドイツ人のビムラー博士が考案しました。ネオキャップ・ビムラー矯正は、ネオキャップとビムラーの2つの装置を組み合わせた治療なのです。
ネオキャップは、白いプラスチック素材の被せ物のことを指します。ネオキャップを乳臼歯に装着することで舌が自由に動ける空間を作り、舌や頬の筋肉を活性化させて歯並びを整えます。ネオキャップは固定式で、天然の歯のような見た目です。
ビムラーは取り外し式の装置です。装着することで自然と噛む力が強くなって、歯並びが整います。
ほかの小児矯正との違い
代表的な小児矯正の方法として床矯正があげられますが、ネオキャップ・ビムラー矯正も床矯正も、将来永久歯がきれいに並ぶスペースを作るという点では同じです。
しかし、以下のようにいくつか異なるポイントがあります。
2つの治療を併用するので効果が高い
ネオキャップ・ビムラー矯正では、取り外し式のビムラーだけではなくネオキャップを併用します。ビムラー装置は床矯正の装置と似ていますが、2つの治療を併用することで効果を高めています。
お口周りの筋肉や噛む力を高める
床矯正は、顎の骨を広げることで永久歯が並ぶスペースを作る治療です。ネオキャップ・ビムラー矯正では、装着しているだけでお口周りの筋肉や噛む力を高められます。
口周りの筋肉や噛む力を正しい状態に導くことで、歯がきれいに並ぶのです。
対応している歯科医院がまだ少ない
床矯正を行っている歯科医院は多数ありますが、ネオキャップ・ビムラー矯正は国際機能矯正臨床研究会(IFOCS)より公式認可を受ける必要がある治療法です。この治療を選択できる歯科医院はまだ多くありません。
ネオキャップ・ビムラー矯正を始めるタイミング
ネオキャップ・ビムラー矯正を始めるタイミングは、個人差もあります。症例によっても異なるでしょう。
成長期を前提としている治療なので、始めるタイミングの目安は永久歯への生えかわりが始まる時期の5~8歳です。上の前歯2本と下の前歯4本の永久歯が生える頃と考えると良いでしょう。
ネオキャップ・ビムラー矯正をおすすめする理由
ネオキャップ・ビムラー矯正は、以下のような理由から成長期のお子さまに使用されています。
夜間のみの着用で治療可能
ネオキャップは固定式のため治療中は常に装着することになりますが、ビムラーに関しては取り外しが可能です。また、ビムラーは夜間のみの装着なので、日常生活に支障をきたしません。
お子様にとって毎日の生活に支障がなく、保護者の方にとっても管理が簡単であることは大きなメリットといえるでしょう。
痛みを感じにくい
ビムラーは主に就寝中に装着するので、痛みを感じにくくストレスになりにくいです。痛みを感じやすい矯正方法では治療のモチベーションを保てなくなる子どもが多いですが、ネオキャップ・ビムラー矯正なら可能かもしれません。
後戻りしにくい
お子様の成長を利用して顎の位置を正しい状態に誘導することで歯並びを整えるため、後戻りしにくいです。基本的には、治療後に保定装置の着用は必要ありません。
また、きれいに歯並びが整わなかった場合でも、ネオキャップ・ビムラー矯正によって歯並びが悪化することはありません。
抜歯せず矯正を終えられる可能性が高い
永久歯がきれいに並ぶために抜歯が必要なこともありますが、ネオキャップ・ビムラー矯正では顎の位置を正しい状態に誘導します。歯の移動のみで歯並びを整えるわけではないので、抜歯が必要な可能性は低いでしょう。
虫歯になりにくい
ビムラーは取り外しができ夜しか装着しません。そのため、食事や歯磨きの際に装着することはありません。
食べかすが挟まったり歯磨きが難しくなったりしないので、虫歯の原因になりにくいです。
ネオキャップ・ビムラー矯正の治療の流れ
ネオキャップ・ビムラー矯正の治療の流れは、他の矯正方法と大きく異なるわけではありません。大まかな治療の流れは、以下の通りです。
カウンセリング・説明
お子様の歯並びの状態を確認し、ネオキャップ・ビムラー矯正が適応になるか判断します。他の治療方法と合わせて、治療方法や治療期間、費用などを説明します。
不安な点がありましたら、お尋ねください。
検査・型取り
レントゲン撮影、口腔内の写真撮影、顔貌の写真撮影、歯の型取りを行い、お子様の顎の形や大きさ、バランスなどを確認します。検査結果を元に、ネオキャップを製作します。
ネオキャップの装着
完成したネオキャップを実際に装着します。
ビムラーの制作と装着
ネオキャップ装着から数週間後に再び歯型を採取し、ビムラーを製作します。その後、就寝中にビムラーを装着して治療を進めます。
ネオキャップ・ビムラー矯正の注意点
ネオキャップ・ビムラー矯正を受ける際、注意すべき点は以下の通りです。
自由診療のため費用が高い
他の矯正治療でも同じですが、ネオキャップ・ビムラー矯正は自由診療です。そのため、保険診療の治療と比較すると費用がかかります。
ネオキャップ・ビムラー矯正の費用は歯科医院ごとに異なりますが、総額30万円~40万円が相場です。
治療期間が長い
就寝中のみビムラーを装着すればいいことは大きなメリットですが、治療期間は約3年〜4年かかります。後戻りしにくいため、保定期間は必要ないことが多いです。
治療できる歯科医院が限られている
ネオキャップ・ビムラーは、国際機能矯正臨床研究会(IFOCS)より認可を受けた歯科医院のみが実施できる治療です。また、正式に治療開始されてからまだ時間が経っていない矯正方法なので、ワイヤー矯正やマウスピース矯正と比較すると、治療を行っている歯科医院が限られています。
治療の途中で引越しをした場合など、治療を続けるのが難しいケースもあるでしょう。
ビムラーを装着しないと治療が進まない
ネオキャップは固定式であるため問題ありませんが、ビムラーは取り外せるため、装着していないと治療が進みません。他の矯正装置に比べて装着時の痛みが少ないことが大きな利点ではありますが、装着を嫌がるお子様もいるかもしれません。
お子様の性格や精神的な発達も考慮して、治療を進める必要があるでしょう。
虫歯に気をつける必要がある
虫歯になってしまうと、矯正治療を中断して虫歯の治療に専念することになる場合が多いです。そのため、ネオキャップ・ビムラー矯正の治療期間が延びることもあります。
毎日のセルフケアをしっかり行い、歯科医院で定期的にクリーニングを受けて虫歯を予防してください。
まとめ
ネオキャップ・ビムラー矯正は、痛みが少なく後戻りしにくい治療です。就寝中のみにビムラーを装着するので、お子様にとって負担の少ない矯正治療といえます。
ネオキャップとビムラーは海外で開発された矯正装置ですが、それらを組み合わせたネオキャップ・ビムラー矯正は日本人の小児歯科医師が開発しました。そのため、日本人のお子様が安心して治療を受けられるのも大きなメリットといえるでしょう。
できる限り抜歯せずに、健康的で美しい歯並びを作りたい方、お子様の歯並びが悪いことが不安な方はご検討ください。永久歯に生え替わる時期が治療のタイミングなので、早いうちに一度カウンセリングを受けてみましょう。
ネオキャップ・ビムラー矯正を検討されている方は、愛媛県伊予市にある歯医者「優歯科オフィス」にお気軽にご相談ください。